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2026/8/1

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経営計画書の書き方入門|スタートアップが押さえるべき7つの項目

「事業計画書は作ったけれど、経営計画書は必要なの?」——スタートアップや創業間もない経営者の方から、こうした質問をよくいただきます。

結論から言えば、経営計画書はすべてのスタートアップにとって必須のツールです。事業計画書が「何をやるか」を示すものだとすれば、経営計画書は「どうやって実現するか」を具体的に落とし込んだ実行のロードマップです。融資や補助金の申請にも活用でき、経営の羅針盤として日々の意思決定を支えてくれます。

この記事では、スタートアップが経営計画書を作成する際に押さえるべき7つの項目を、書き方のポイントとともに詳しく解説します。テンプレートとしても活用できる構成になっていますので、ぜひ参考にしてください。

そもそも経営計画書とは?事業計画書との違い

経営計画書の定義と役割

経営計画書とは、企業の将来のビジョンと、それを実現するための具体的な戦略・数値目標・アクションプランをまとめた文書です。

事業計画書が「このビジネスは成立するか」を検証するための書類であるのに対し、経営計画書は「このビジネスをどう成長させていくか」を設計するための書類です。事業計画書は創業前に作ることが多いですが、経営計画書は創業後も定期的に見直しながら使い続けるものです。

なぜスタートアップに経営計画書が必要なのか

スタートアップにとって経営計画書が重要な理由は3つあります。

まず、経営判断の基準ができることです。限られたリソースをどこに集中させるか、新しいチャンスに飛びつくべきか——こうした判断を、感覚ではなく計画に基づいて行えるようになります。

次に、資金調達で有利になることです。日本政策金融公庫の融資審査や、各種補助金の申請では、しっかりとした経営計画書があることで信頼性が大きく向上します。

そして、チームの方向性が揃うことです。経営者の頭の中にあるビジョンを文書化することで、メンバーやパートナーと同じ方向を向いて進むことができます。

経営計画書に盛り込むべき7つの項目

項目1:経営理念・ビジョン

経営計画書の冒頭には、会社が何のために存在し、どこを目指すのかを明確に記載します。

経営理念は、事業の根幹にある価値観や信念を表すものです。たとえば「三方よし」の精神——売り手よし、買い手よし、世間よしの考え方は、近江商人の時代から受け継がれてきた日本の経営哲学であり、現代のスタートアップにも通じる普遍的な理念です。

ビジョンは、3年後・5年後・10年後に自社がどうなっていたいかを具体的に描いたものです。「〇〇業界で地域No.1のサービスを提供する」「△△の課題を解決し、□□人の生活を改善する」など、できるだけ具体的に言語化しましょう。

書き方のポイント: 抽象的なスローガンで終わらず、「なぜその理念を掲げるのか」という背景や経営者自身のストーリーも添えると、説得力が増します。

項目2:事業概要と市場分析

自社の事業内容と、その事業が置かれている市場環境を客観的に分析します。

事業概要では、提供する商品やサービスの内容、ターゲット顧客、提供価値(バリュープロポジション)を簡潔にまとめます。「誰の、どんな課題を、どのように解決するのか」を一文で表現できるようにしておくと、対外的なコミュニケーションでも役立ちます。

市場分析では、市場規模と成長性、競合の状況、顧客ニーズのトレンドなどを整理します。SWOT分析(強み・弱み・機会・脅威)やPEST分析(政治・経済・社会・技術)などのフレームワークを使うと、漏れなく分析できます。

書き方のポイント: データや根拠を示しながら、「だからこの事業にチャンスがある」という論理展開を意識しましょう。

項目3:経営戦略・差別化ポイント

市場分析を踏まえて、自社がどのような戦略で競争に勝つのかを明記します。

スタートアップや中小企業の場合、大手と同じ土俵で戦うのではなく、ランチェスター戦略でいう「弱者の戦略」を採用するのが定石です。特定のエリア、特定の顧客層、特定の課題に集中し、その領域でNo.1を目指す戦略を描きます。

差別化ポイントは、自社の独自性を明確にする部分です。「なぜ顧客は競合ではなく自社を選ぶのか」を、顧客目線で説明できるようにしましょう。

書き方のポイント: 差別化は「自分がそう思っている」だけでは不十分です。顧客の声やデータで裏付けられると、計画書の信頼性が高まります。

項目4:数値計画(売上・利益・資金繰り)

経営計画書の核心ともいえるのが数値計画です。理念やビジョンを「数字」に落とし込む作業です。

数値計画には主に3つの要素があります。

売上計画は、月別・年別の売上目標を設定します。「商品単価×販売数量」や「顧客数×客単価×購入頻度」など、売上の構成要素を分解して積み上げると、実現可能性が見えやすくなります。

利益計画は、売上から原価と経費を差し引いた利益の見通しです。固定費(家賃、人件費、リース料など)と変動費(仕入原価、外注費など)を明確に分けて計算しましょう。損益分岐点——つまり「月にいくら売ればトントンか」を把握しておくことが重要です。

資金繰り計画は、お金の入りと出のタイミングを管理するものです。黒字でも資金ショートで倒産するケースは珍しくありません。特に創業初期は、売上が立つまでの運転資金をどう確保するかが生死を分けます。

書き方のポイント: 数値計画は「楽観」「標準」「悲観」の3パターンを用意すると、リスクへの備えを示すことができます。融資審査では、現実的な数値計画が高く評価されます。

項目5:マーケティング計画

優れた商品やサービスがあっても、顧客に届かなければ意味がありません。どうやって顧客を獲得し、売上を作るのかを具体的に計画します。

マーケティング計画に含めるべき要素は、ターゲット顧客の明確化(ペルソナの設定)、集客チャネルの選定(Web、SNS、紹介、広告、イベントなど)、販促活動の具体策とスケジュール、顧客単価の向上策(アップセル・クロスセル)、そしてリピート率の向上策(顧客満足度の向上、フォロー体制)です。

特にスタートアップは広告費に多額の投資ができないため、コンテンツマーケティングやSNS活用、紹介・口コミの仕組みづくりなど、低コストで効果の高い施策を中心に組み立てるのが現実的です。

書き方のポイント: 各施策について「いつまでに」「誰が」「何を」「どれくらいの予算で」行うのかを明記すると、実行力のある計画になります。

項目6:組織体制・人員計画

事業の成長に合わせて、どのような組織を作り、どう人材を確保していくかを計画します。

創業当初は経営者一人、あるいは少人数でスタートすることが多いですが、事業の成長に伴い、営業、制作、事務、経理などの機能を誰がどう担うのかを考えておく必要があります。

人員計画では、いつの段階で何人の人材が必要か、正社員・パート・業務委託などどの雇用形態を活用するか、どのようなスキルや経験を持つ人材が必要か、人件費は年間でどれくらいかかるか——といった点を整理します。

スタートアップの場合、すべてを内製化する必要はありません。経理は税理士に、Web制作は外注に、経営戦略はコンサルタントにと、外部の専門家を活用する「シェアリング」の発想も重要です。

書き方のポイント: 「いつ・何のために・どんな人材を」採用するのかを、事業の成長フェーズと連動させて記載しましょう。

項目7:アクションプラン(実行計画)

最後に、これまでの計画を具体的な行動レベルに落とし込むのがアクションプランです。

どれほど立派な計画も、実行されなければ絵に描いた餅です。アクションプランでは、四半期ごと、あるいは月ごとの重点施策を明確にし、各施策の担当者、期限、KPI(重要業績評価指標)を設定します。

たとえば「第1四半期:Webサイトを立ち上げ、月間3件の問い合わせを獲得する」「第2四半期:初回セミナーを開催し、20名の見込み顧客リストを構築する」といった具合に、測定可能な目標を設定しましょう。

書き方のポイント: アクションプランは作って終わりではなく、毎月の振り返りで進捗を確認し、必要に応じて修正していくことが大切です。PDCAサイクル(計画→実行→評価→改善)を回す仕組みを組み込んでおきましょう。

経営計画書を作成する際のよくある失敗

失敗1:数字に根拠がない

「年商1億円を目指す」と書くのは簡単ですが、その数字がどのような計算で導き出されたのかが説明できなければ、計画書としての価値はありません。「商品単価3万円×月間30件×12ヶ月=年商1,080万円」のように、積み上げ式で算出しましょう。

失敗2:理想論だけで終わっている

「業界を変革する」「市場を創造する」といった壮大なビジョンは魅力的ですが、それだけでは計画書になりません。ビジョンを実現するための具体的なステップとタイムラインが必要です。

失敗3:一度作って放置している

経営計画書は生き物です。市場環境の変化、競合の動き、自社の成長に合わせて、定期的に見直し・修正することが前提です。少なくとも半年に一度は全体を見直し、四半期ごとに進捗を確認するサイクルを作りましょう。

失敗4:自分一人で完結している

経営者一人で作った計画は、どうしても視野が偏りがちです。税理士に数値計画をチェックしてもらう、経営コンサルタントに戦略の妥当性を評価してもらうなど、第三者の目を入れることで計画の精度が格段に上がります。

経営計画書の作成を支援してくれる専門家と制度

専門家の活用

経営計画書の作成は、専門家のサポートを受けることで質と効率が大きく向上します。

経営コンサルタントは、事業戦略の整理からアクションプランの策定まで、経営計画書全体の作成をサポートしてくれます。特に、業界の知見を持つコンサルタントであれば、市場分析や差別化戦略について的確なアドバイスが期待できます。

中小企業診断士は、経営分析のプロフェッショナルとして、数値計画の策定や事業の実現可能性の検証を支援してくれます。

税理士は、売上・利益計画の数値的な裏付けや、税務面からの最適化についてアドバイスをくれます。

公的支援制度の活用

経営計画書の作成に活用できる公的支援も充実しています。

商工会議所では、無料の経営相談で計画書の作成支援を受けられるほか、「経営発達支援計画」に基づく伴走型支援も提供しています。よろず支援拠点でも、専門のコーディネーターが経営計画の策定をサポートしてくれます。

また、経営革新計画や経営力向上計画といった国の制度を活用すれば、計画の策定そのものが公的な支援(低利融資、信用保証の優遇など)に繋がるケースもあります。

まとめ:経営計画書は「成長のエンジン」

経営計画書は、単なる書類ではありません。自社の現在地を確認し、目指すゴールへの道筋を明らかにする「成長のエンジン」です。

今回ご紹介した7つの項目を軸に、まずは完璧でなくても構いませんので、自社の経営計画書を作成してみてください。作成する過程で、自社の強みや課題が明確になり、次に取るべきアクションが見えてくるはずです。

大切なのは、一度作って終わりにしないこと。定期的に見直し、修正し、実行していくことで、経営計画書は真の力を発揮します。

SCF Smart Consul Farmでは、「三方よし」の理念に基づき、スタートアップの経営計画書の作成支援から、計画の実行サポートまで一貫してお手伝いしています。「計画書の作り方がわからない」「作った計画を専門家にチェックしてほしい」という方は、ぜひお気軽にご相談ください。初回相談は無料です。

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